マリア・カラス(ソプラノ:フィオリッラ)
ニコラ・ロッシ=レメーニ(バス:セリム)
ニコライ・ゲッタ(テノール:ドン・ナルチーソ)
フランコ・カラブレーゼ(バス:ドン・ジェローニオ)
ヨランダ・ガルデx-ノ(メゾソプラノ:ザイーダ)
ピエロ・デ・パルマ(テノール:アルバザール)
マリアーノ・スタービレ(バリトン:詩人)
ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ指揮 ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
1954.8.31~9.8 スカラ座でのセッション録音
珍しい作品なので、手を出してしまった。しかも、当初は「アルジェのイタリア女」と現物を間近に見るまで思いこんでいた。調べてみるとこの作品はその二番煎じということで、初演当時叩かれていることがわかった。それでも当初は人気作だったようだが、何故か忘れられた作品になってしまった。結局、見直しが本格化したのは1970年代からということだが、この録音は見直しがまだ進んでいない時代の実験的なものであるようだ。ガヴァッツェーニの主導によるもので、今上演されるアリアがなかったりすることはあるようだが、手探り状態での蘇演という意味で貴重なのかもしれない。
中味はイタリアの有閑未亡人の他愛ないお遊びといった趣で、あまりレチタティーヴォのないオペラではある。例によってながら鑑賞だったので、あまり集中して聴いたわけではないが、楽しげなオペラには感じた。そして通販サイトを見ると本作の映像ソフトも存在していることがわかった。ヴェルディなどと違って、埋もれた作品の多いロッシーニでややきりがなさそうにも感じた。