この映画は由美かおるの全裸姿のスティル写真が突出して有名だった。バレエで鍛えた肢体を惜しみなく露出したということで話題になったものだ。
原作は劇画であって、やや作り話がすぎる感じがして、必ずしも共感できなかった。いろいろな作品を発表する野村芳太郎監督の作品ということで観たのだが、松本清張ものに見られる鋭さもないような感じである。戦前の型にはまった生活を打破しようとする女性の話ではあることに加えて、同性愛のエピソードもあって、なかなかユニークな話なのだが、全て自分勝手な行動に感じてしまい、それが共感に乏しい原因かもしれない。左翼かぶれの国語の教師役なのは今の東映の社長になっている岡田裕介。ここでもやや演技は一本調子で、なにやっても同じに見えた。