ベートーヴェン
①「レオノーレ」序曲第3番
②「コリオラン」序曲
③バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲
④「エグモント」序曲
⑤「アテネの廃墟」序曲
⑥歌劇「フィデリオ」序曲
アンドレ・クリュイタンス指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
タワー独自企画の一つ。かつては交響曲のフィルアップとして収録したものを、一括収録したアルバム。交響曲全集は交響曲のみの収録として独立してリリースされている。
さて、かつて1999年頃出たCDを聴いて、せっかくの演奏が風呂場の中で鳴るような感じで、聴きづらく売却処分した苦い思い出があった。今回、音質改善を期待して再び手に取ってみた。幸い、我が家のBDプレーヤーはSACDプレーヤーの機能があったので、①だけDSDで聴いてみた。かなりいい感じで、まず聴きやすかったのには驚いた。風呂場ではなく、相応な音響をもった場所での演奏だった。同じ音源なのにこうも違うのかと不思議でならない。後は機会をみて、通常のCDプレーヤーで聴いてみたが、やはり聴きやすい音質で安心した。
カラヤンが赴任したばかりの頃のベルリン・フィルで、フルトヴェングラーを知る楽員はかなりいた時代だ。朝比奈隆が1955年に振った頃とほぼ同じ頃。フルトヴェングラーどころかその前からのメンバーもいたと氏は証言していたから、カラヤンなどなんぼのものだという雰囲気が強かったろうと思う。レコード会社がそのカラヤンではなく、フランス系のクリュイタンスの指揮でベートーヴェンの全集に着手したというのが興味あるところだ。クリュイタンスはドイツものでも、コンサートやオペラで実績を上げていたからだろうが、それにしても当時としては冒険だったのではなかろうか。