【収録情報】
① ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
② シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 op.54
③ R.シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』 op.40
マルコム・フレイジャー(ピアノ:シューマン)
ペーター・ミリング(独奏ヴァイオリン:シュトラウス)
シュターツカペレ・ドレスデン
ルドルフ・ケンぺ(指揮)
録音時期:1974年3月15日
録音場所:ドレスデン、クルトゥーアパラスト
① ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
② シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 op.54
③ R.シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』 op.40
マルコム・フレイジャー(ピアノ:シューマン)
ペーター・ミリング(独奏ヴァイオリン:シュトラウス)
シュターツカペレ・ドレスデン
ルドルフ・ケンぺ(指揮)
録音時期:1974年3月15日
録音場所:ドレスデン、クルトゥーアパラスト
本当はSACDではなく、普通のCDで良かったのではあるが、その通常仕様のものは入手困難とのことで、このシングルレイヤーのやや高めのものにした。これしたおかげで、日本語の解説に接することができたし、この巨匠とドレスデンの国立歌劇場のオケとの関係が少しわかってありがたかった。
さて、R.シュトラウスに関してはEMIへのセッション録音があるが、こちらの方が何か活き活きとした感じの演奏のように思えた。数テイクを重ねあわすのではなく、一気の真剣勝負のような感じだろうか。マイクのせいか、コンマスが弾くソロの音がやや遠く聴こえてしまっているのは少し残念だが、それでも百戦錬磨の連中の演奏だから、素晴らしい演奏ではあった。メインで最後にある拍手も熱狂的だった。ドビュッシーやシューマンはおとなしい拍手だったのが、最後だけは熱を帯びていた。
EMIにR.シュトラウス全集を録音したのを見た時、よく当時の東独当局が許可したなと思っていた。というのも、当局との軋轢から西へ早い段階で移っていたので、謂わば東ドイツからすれば「裏切り者」のような人物である。だが、様々な経済的情勢から外貨を必要としたのだから、そこは目をつぶってドレスデンのオケの指揮台に上るのを許可せざるを得なかったということがわかったのだ。ケンペにしてみれば、生地なのだが、政治的なものに翻弄された人の「歴史」を垣間見る思いではある。