【曲目】
シューベルト:『ロザムンデ』序曲
ドヴォルザーク: チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104*
デュティユー: メタボール
【演奏】
ピエール・フルニエ(Vc)*
セルジュ・チェリビダッケ(指揮) フランス国立放送管弦楽団
【録音】
1974年10月2日、シャンゼリゼ劇場(ライヴ)
フランス国立視聴覚研究所音源提供
チェリビダッケによるドヴォルザークのチェロ協奏曲はこれで2種目になる。少し前にジャクリーヌ・デュ・プレをソリストに迎えたスウェーデン放送交響楽団の録音を持っていたからだ。協奏曲は結構、一癖も二癖もある奏者と共演している。ここでもフルニエという超一流の奏者との共演だ。マイクはソロに照準を合わせていて、管弦楽の音がやや奥に引っ込んだように聴こえるのは残念だが、奏者と指揮者率いるオーケストラとのガップリ四つの演奏は聴き応えがある。さぞかし生で聴いた人は圧倒されたのではなかろうか。その割には拍手は3曲とも共通におとなしいように感じる。これも録音の特性なのかもしれない。
解説にもあったが、指揮者は練習量を要求し、ひたすら精緻な音楽を目指すが、規制に縛られるのを嫌うフランスの楽員とはソリが合わない。結局、短期間で関係は絶たれれてしまうのだが、これだけの量の録音が遺されていたのは、愛好家には喜ばしいことと思う。その音楽に賛同するか否かは別にして、ユニークな解釈が聴けるのはありがたいと思うのだ。