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ベルリオーズ:『ベンヴェヌート・チェッリーニ』全曲

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【収録情報】
・ベルリオーズ:歌劇『ベンヴェヌート・チェッリーニ』全曲
 チェッリーニ:ブルクハルト・フリッツ(テノール)
 チェッリーニの恋人テレサ:マイヤ・コヴァレヴスカ(ソプラノ)
 チェッリーニの恋敵フィエラモスカ:ローラン・ナウリ(バリトン)
 テレサの父バルドッチ:ブリンドリー・シャラット(バス)
 教皇クレメンス七世:ミハイル・ペトレンコ(バス)
 アスカーニオ:ケイト・オルドリッチ(メゾ・ソプラノ)
 フランチェスコ:グザヴィエ・マス(テノール)
 ベルナルディーノ:ロベルト・タリアヴィーニ(バス)
 ポンペオ:アダム・プラチェトカ(バス・バリトン)
 宿の亭主:パク・スンクエン
  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ウィーン国立歌劇場合唱団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 フィリップ・シュテルツル(演出・美術)
 カティ・マウラー(衣装)
 ドゥアーネ・シュラー(照明)
 マーラ・クロチュカ(振付)
 制作:UNITEL

 収録時期 2007年8月
 収録場所:ザルツブルグ祝祭大劇場(ライヴ)
 
 ベルリオーズの珍しい演目が映像になっている。発売されたのが2010年だからかなり経過して、その存在を知ったことになっている。このオペラはパリ版とワイマール版があるとのことで、ゲルギエフは前者を使っているようである。多分、改訂される前のオリジナルに拘りがあるのかもしれない。逆にワイマール版も聴いてみたいと思う反面、そんな厄介な作品なのかと引いてしまうところもある。版について追うとブルックナーの交響曲みたいに際限がなくなってしまうからだ。
 
 さて、このオペラはコンサートピースとして有名な「ローマの謝肉祭」序曲とも関連がある。この序曲はこのオペラに組み込まれるべく作曲されたとは解説にあったが、実際木管が提示するメロディはチェッリーニとテレサのデュエットから取られているし、第2幕の合唱曲から転用されたクライマックス部分の素材もある。ゲルギエフはこの序曲を演奏はしていないが、しっかり関連はわかった。
 
 このオペラは中世イタリアが舞台のはずだが、この舞台は近未来都市(ニューヨークあたり)で、ロボットまで登場する。ここまで読み替えると言葉を失ってしまうのだが、作品の香気が失われたような感じがしてしまうのだが、どうだろうか。ただベルリオーズ自体やりたい放題しているようなので、案外違和感はないと言われる向きもあるかもしれない。この作曲家のオペラとしては珍しく喜劇であり、狂乱的なところは交響曲「イタリアのハロルド」みたいだと思っていたら、その交響曲とレクイエムの狭間で作曲された作品だそうで、同じテンションで書き上げたのだなと納得した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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