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Walter/The Viena Farewell Concert(1960)

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マーラー:交響曲第4番、歌曲集、シューベルト:未完成 ワルター&ウィーン・フィル、シュヴァルツコップ(1960)(2CD)Sym.4 / .8: Walter / Vpo, Schwarzkopf(S)+mahler: Lieder (Farewell Concert)
【収録情報】
Disc1
シューベルト:交響曲第8番ロ短調 D.759『未完成』
② マーラー:子供の魔法の角笛~第9番『トランペットが美しく鳴り響くところ』
③ マーラー:リュッケルト歌曲集より~第4番『私は仄かな香りを吸い込んだ』
Disc2
● マーラー:交響曲第4番ト長調

ブルーノ・ワルター指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
エリザベート・シュワルツコップ(ソプラノ)
 録音時期:1960年5月29日
 録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール
 録音方式:モノラル(ライヴ)
 音源提供:INA(フランス国立視聴覚研究所)

 これは、ブルーノ・ワルターがVPOと最後に共演した記録である。今回はフランスで発見された良質のテープによるものということで、アルトゥスから出たものを入手した。上の写真の左側のものだ。因みにアメリカのMusic & Artsからもライヴ録音が出ているが、これで聴いたことはない。ただ、「私はこの世から忘れられ」がこの盤には収録されていない。探したが、フランスにはなかったと言われている。また、予告から1年も経過したのは、それを探していたからだとも言われている。

 1960年といえば、ワルターの師であるマーラーの生誕100周年にあたる。所縁のあるウィーンの藝術週間で、そのマーラーの作品を取り上げるというので、病身に鞭をうってワルターはウィーンにはせ参じたという。そしてこれが最後のウィーンでの出演となったというわけである。どういう思いで、指揮台に立ったかはもう推察するしかないが、万感の思いを込めて、ワルターもVPOのメンバーも演奏に没頭したに違いない。モノラルで必ずしも状態はベストではないが、そういう思いはくみ取れる。また、それだから聴いている方も胸を打たれるのである。やや遅めのテンポは、少しでも長く留まっていたいという思いがあったのではないか、考えてしまう。購入したCDのリーフレットにはその時の有名な写真は権利の関係か掲載されていないが、Music & Artsのものを見ると、コンサートマスターはヴィリー・ボスコフスキーがいる。また、やや上手側にはシュワルツコップが立っていて、ワルターが客席側を向いて挨拶しているようなポーズのものだ。観客も見納めだということは自覚していたろうと思う。出会いと別れのドラマを内包した感慨深い演奏だと思う。彼らが残してくれたかけがえのない遺産と思って、大事にしてゆきたいと思うのである。

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