
【収録情報】
Disc1
● ラヴェル:『ダフニスとクロエ』第2組曲(録音時期:1964年11月)
● ルーセル:『バッカスとアリアーヌ』第2組曲』(録音時期:1964年12月)
Disc2
● ヴァレーズ:『アルカナ』(録音時期:1966年3月)
● マルタン:7つの管楽器とティンパニ、弦楽器のための協奏曲(録音時期:1966年3月)*
Disc3
● ニールセン:交響曲第4番 Op.29『不滅』(録音時期:1966年10月、12月)*
● ニールセン:序曲『ヘリオス』 Op.17(録音時期:1966年10月、12月)*
Disc4
● ビゼー:『アルルの女』第1組曲、第2組曲(録音時期:1967年4月)
● マスネ:タイスの瞑想曲(録音時期:1966年12月)
● ラロ:歌劇『イスの女王』序曲(録音:1967年5月)*
Disc5
● バルトーク:組曲『中国の不思議な役人』 Op.19』(録音時期:1967年4月)
● ヒンデミット:『気高い幻想』(録音時期:1967年10月)
Disc6
● マルティノン:交響曲第4番『至高』(録音時期:1967年11月)*
● メニン:交響曲第7番『交響的変奏曲』(録音時期:1967年10月)*
Disc7
● ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番へ短調 Op.73(録音時期:1967年5月、1968年5月)*
● ウェーバー:クラリネット協奏曲第2番変ホ長調 Op.74(録音時期:1967年5月、1968年5月)*
ベニー・グッドマン(クラリネット)
Disc8
● ラヴェル:スペイン狂詩曲(録音時期:1968年4月、5月)
● ラヴェル:組曲『マ・メール・ロワ』(録音時期:1968年4月、5月)
● ラヴェル:序奏とアレグロ(録音時期:1968年4月、5月)
Disc9
● ビゼー:交響曲ハ長調(録音時期:1968年4月)
● メンデルスゾーン:『夏の夜の夢』~序曲、スケルツォ、夜想曲、結婚行進曲(録音時期:1967年7月)*
Disc10
● カサドシュ:ピアノ協奏曲 Op.37(録音時期:1969年6月) *原盤:CBS
ロベール・カサドシュ(ピアノ)
フランス国立放送管弦楽団
● パガニーニ/フレデリック・ストック編:無窮動(録音時期:1966年3月)
● ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(録音時期:1967年5月)
● ラヴェル:ラ・ヴァルス(録音時期:1967年5月)
● ラヴェル:ボレロ(録音時期:1966年3月)
ジャン・マルティノン指揮 シカゴ交響楽団
カサドシュのみCBS盤。他全てRCA盤
【シカゴ時代のマルティノン】
シカゴ響音楽監督時代のマルティノンの音楽作りは「リズムとフレージングの絶妙な感覚で、オーケストラのテクスチャを見事に浮き上がらせる」と絶賛されました。マルティノンは5年間のシカゴ響在任中にRCAにLPにして9枚分の録音を行なっています。
「精密さ、強度、広大さとリズミカルな覚醒感の組み合わせは、特にこの作曲家の官能的なサウンド~パレットに合う」と評されたラヴェルの主要オーケストラ曲、ルーセル『バッカスとアリアーヌ』やビゼー『アルルの女』などのフランス音楽に重点が置かれつつも、ジャズの巨匠ベニー・グッドマンとのウェーバーのクラリネット協奏曲、さらにはアメリカの作曲家ピーター・メニンの交響曲第7番のほか、マルタン、ヴァレーズ、ヒンデミット、バルトーク、そして自作の交響曲第4番『至高』に至る20世紀作品が数多く取り上げられているのが特徴で、マルティノンが当時シカゴ響で取り組んでいた幅広いレパートリーをうかがい知ることが出来ます。
中でもニールセンの交響曲第4番『不滅』と『ヘリオス』序曲を収めたアルバムは、シカゴ響からスリリングで爆発的なエネルギーを引き出し、フィナーレにおけるティンパニの大胆な強調も含め、非常に明快な解釈で作品の真価を知らしめた最初の演奏といえるでしょう。
マルティノンのシカゴ響時代は、彼にとって音楽的には生涯でも実り多き時代といえるもので、その充実ぶりはこれらRCAの録音に明確に反映されています。シカゴ響自体も、前任者ライナーのもとでむかえた黄金時代の輝きをそのまま踏襲しており、名手のそろった木管・金管、重厚でしかも精密なアンサンブルの弦楽パートなども健在です。
録音面でも、当時のRCAが誇った「リビング・ステレオ」という見事に完成されたテクノロジーによって収録されており、その輝かしいサウンドは今聴いてもじゅうぶんな鮮度を保っています。
【ボックスの内容】
今回のボックスのディスク1~ディスク9は、マルティノンとシカゴ交響楽団とのRCAへのLP9枚分の録音が、初出時のカップリングとジャケット・デザインによって復刻されています。またディスク10には、マルティノンの離任後もしくは没後にようやく発売されたシカゴ響とのオーケストラ曲4曲(日本で世界初CD化された時は大きな話題となりました)、それに初めてCD化される、1969年にフランス国立放送管を指揮してコロンビアに録音したカサドシュのピアノ協奏曲第2番(ピアノは作曲者自身による)という超レア音源を収録しています。
今までCDとして発売された音源については新たに24ビット・リマスタリングが施され、未CD化音源については、オリジナル・アナログ・マスターテープからの最新リミックス&24ビット・リマスタリングが行われており、音質的には申し分ありません。
(以上:販売元のコメント)
シカゴ響音楽監督時代のマルティノンの音楽作りは「リズムとフレージングの絶妙な感覚で、オーケストラのテクスチャを見事に浮き上がらせる」と絶賛されました。マルティノンは5年間のシカゴ響在任中にRCAにLPにして9枚分の録音を行なっています。
「精密さ、強度、広大さとリズミカルな覚醒感の組み合わせは、特にこの作曲家の官能的なサウンド~パレットに合う」と評されたラヴェルの主要オーケストラ曲、ルーセル『バッカスとアリアーヌ』やビゼー『アルルの女』などのフランス音楽に重点が置かれつつも、ジャズの巨匠ベニー・グッドマンとのウェーバーのクラリネット協奏曲、さらにはアメリカの作曲家ピーター・メニンの交響曲第7番のほか、マルタン、ヴァレーズ、ヒンデミット、バルトーク、そして自作の交響曲第4番『至高』に至る20世紀作品が数多く取り上げられているのが特徴で、マルティノンが当時シカゴ響で取り組んでいた幅広いレパートリーをうかがい知ることが出来ます。
中でもニールセンの交響曲第4番『不滅』と『ヘリオス』序曲を収めたアルバムは、シカゴ響からスリリングで爆発的なエネルギーを引き出し、フィナーレにおけるティンパニの大胆な強調も含め、非常に明快な解釈で作品の真価を知らしめた最初の演奏といえるでしょう。
マルティノンのシカゴ響時代は、彼にとって音楽的には生涯でも実り多き時代といえるもので、その充実ぶりはこれらRCAの録音に明確に反映されています。シカゴ響自体も、前任者ライナーのもとでむかえた黄金時代の輝きをそのまま踏襲しており、名手のそろった木管・金管、重厚でしかも精密なアンサンブルの弦楽パートなども健在です。
録音面でも、当時のRCAが誇った「リビング・ステレオ」という見事に完成されたテクノロジーによって収録されており、その輝かしいサウンドは今聴いてもじゅうぶんな鮮度を保っています。
【ボックスの内容】
今回のボックスのディスク1~ディスク9は、マルティノンとシカゴ交響楽団とのRCAへのLP9枚分の録音が、初出時のカップリングとジャケット・デザインによって復刻されています。またディスク10には、マルティノンの離任後もしくは没後にようやく発売されたシカゴ響とのオーケストラ曲4曲(日本で世界初CD化された時は大きな話題となりました)、それに初めてCD化される、1969年にフランス国立放送管を指揮してコロンビアに録音したカサドシュのピアノ協奏曲第2番(ピアノは作曲者自身による)という超レア音源を収録しています。
今までCDとして発売された音源については新たに24ビット・リマスタリングが施され、未CD化音源については、オリジナル・アナログ・マスターテープからの最新リミックス&24ビット・リマスタリングが行われており、音質的には申し分ありません。
(以上:販売元のコメント)
ジャン・マルティノンの指揮する音楽をまともに聴くようになったは、EMIに入れたドビュッシーやラヴェルだった。だが、名前を知ったのは、カタログ冊子でシカゴ交響楽団を振って録音したレコードの掲載物からであった。だが、何故かこの時代とEMI盤のマルティノンが頭の中で結びつかなかった。たぶん、長らくカタログから殆ど姿を消していて、聴く機会がなかったというのが最大の原因だったと思う。そして、この人が在任中は必ずしも好評をファンから勝ち得てなかったということもあったと思う。これが全貌ということで、曲目を見ると、ドイツものはウェーバーやメンデルスゾーン、ヒンデミット以外は全くない。フランスものを中心に現代音楽もあるのだが、少し強面のするものが多い。自作やアメリカの諸作がそれだ。またニールセンなどもあまり思い入れをせずに淡々と速めのテンポで演奏していて、少々素っ気ない。
このオーケストラはドイツものをよく演奏してきたのに、コンサートのプログラムからはかつての常連の曲は演奏されなかったらしい。ちょっと実験的な作品やつかみどころのないフランス音楽が多く演奏されたので、一般聴衆は困惑してソッポを向いたという。ただし玄人受けはしたという。ここにはモーツァルト、ベートーヴェンもブラームスもない。(あまりこの指揮者にそういうものは期待はしないのだが。)
録音は初期のステレオながら、今聴いてもいい感じだ。紙ジャケットというのはあまり歓迎するところではないが、オリジナルのLPのデザインが復刻されている。カップリングもLPとほぼ同一になっているところが多いのかもしれない。ただし、ロベール・カサドシュとの共演は当時ライバルだったコロムビア盤だ。これはソニーの下に統合されたからであり、ちょっとここは違和感を覚えるが、珍しい曲なので得した気分にもなる。価格も手ごろであるのがうれしいが、やや投げ売り的にも見えて複雑な気分でもある。