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マズア/NYPによるブラームスBOX

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【収録情報】
ブラームス:
DISC1
① 交響曲第1番ハ短調 Op.68 [45:42]
② 悲劇的序曲 Op.81 [13:13]
DISC2
①交響曲第2番ニ長調 Op.73 [40:01]
②大学祝典序曲 Op.80 [09:38]
DISC3
① 交響曲第3番ヘ長調 Op.90 [35:14]
②ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a [19:12]
DISC4
①交響曲第4番ホ短調 Op.98 [42:31]
②運命の歌 Op.54 [15:08]
DISC5
ドイツ・レクィエム Op.45 [60:18]
クルト・マズア指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック
ウェストミンスター交響合唱団
シルヴィア・マクネアー(ソプラノ)、ホーカン・ハーゲゴール(バリトン)
録音時期:1992~1995年
録音場所:ニューヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
原盤:Teldec

 今やレコード業界も再編成されて、元のレーベルがわからなくなってしまった。これらは、「テルデック」のレーベルで国内盤も出ていた。第2番だったか、音が左右誤って収録されていたとの指摘もあったのを覚えている。初出当時は、同じ曲をいくつもの演奏で所持するのはもういいと思い始めていた。むろん経済的な理由や物理的な理由もあった。ところが、こうした全集ものになっても、提示価格を見たら2,000円を切っている。初出当時では考えられないことだ。おまけにBOXといってもこじんまりまとまっている。そういうことで聴いてみることとした。

 クルト・マズアはあまり面白みがないと仲間内では今一つの評価だが、壁崩壊前のゲヴァントハウスは良きにつけ悪しきにつけ、昔通りを固守してきたオケというイメージで、そこでは如何ともしがたいものがあったのではないかと見ていた。それがドイツが統一されるや、アメリカの名門のNYPのシェフに就任して、何か解き放たれた感じで音楽を作っていた。これはブラームス以外のいくつかの録音でそう感じていた。今更ブラームスの交響曲全集は他の指揮者のものが棚に並んでいるので、ずっと躊躇してきた。上記のような諸条件を鑑み、聴いて見る気になったのだ。

 予想通りというか堅固な音楽を作っている。やや特徴には乏しいが安定感はある。いくぶん遅めのテンポで交響曲はまとめている。あまり強烈なアクセントもなく、耳には優しい感じがした。5枚目のドイツ・レクイエムはその遅めのテンポが効果をあげている。いつくしんで演奏しているふうがいい。「運命の歌」ともどもややコーラスは厚みに欠けるのが惜しい。

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