ラフマニノフ
①歌劇「アレコ」
セルゲイ・レイフェルクス(Br:アレコ)
イリヤ・レヴィンスキー(T:若いジプシー)
アナトーリ・コチェルガ(B:老いたジプシー)
マリア・グレギーナ(S:ゼムフィーラ)
アンエ・ゾフィー・フォン・オッター(MS:老婆のジプシー)
②歌劇「けちな騎士」
セルゲイ・アレクサシーキン(B:男爵)
セルゲイ・ラーリン(T:アルベルト)
ウラディミール・チェルノフ(Br:公爵)
イアン・カレイ(T:金貸し)
アナトーリ・コチェルガ(B:召使)
③歌劇「フランchスカ・ダ・リミニ」
セルゲイ・アレクサシーキン(B:ヴァージルの影)
イリヤ・レヴィンスキー(T:ダンテ)
セルゲイ・レイフェルクス(Br:ランチェオット)
マリア・ゲルギーナ(S:フランチェスカ)
セルゲイ・ラーリン(T:パオロ)
ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテボリ交響楽団 エーテボリ・オペラ合唱団
これはネーメ・ヤルヴィはDGに自動車会社のVolvoの支援を受けて録音した時代の産物である。ラフマニノフの珍しい3つのオペラが3枚のディスクに収まっている。どれも1時間弱のもので、滅多に演奏される機会はない。①は教官から台本を渡されて、卒業課題として作曲するように言われて、完成させたもの。運よく舞台にかけられて、チャイコフスキーの眼鏡にかなったものと言われている。
総じて全て暗く、②などは救いようのない雰囲気は鑑賞者を困惑させるのに十分である。①はイタリアのヴェリズモの「道化師」に似ているし、③はチャコフスキーの管弦楽曲やザンドナイのオペラでも知られている内容の悲劇である。どれも晴れやかな気分にはならないのだが、落ち込んだ時は逆にスッキリするのかもしれない。しかし、興行主としては上演に躊躇するものがあるように思える。①は最後の独白の部分が有名で、シャリアピンが十八番にしていたという。その録音も残っている。しかし、後はあまり印象の薄いものである。管弦楽は19世紀後半の標準的な編成で書かれている。