【曲目】
ドヴォルザーク:
1. 交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」
メンデルスゾーン
2. 交響曲第4番イ長調作品90「イタリア」
【演奏】
1. ロンドン交響楽団 2. フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ
【録音】
1966年11月7日、ロンドン、ワトフォード・タウン・ホール(1)
1963年10月2日、フィラデルフィア、タウン・ホール(2)
タワーからCBS時代のユージン・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の録音が次々復刻されているが、これは唯一このマエストロがLSOを振った「新世界より」が入っているものである。
LP時代末期に存在を知ったが、何故LSOを振って録音したのか、わからなかった。どうも当時はオケと指揮者との関係がよくなかったようだ。コンマスが辞任したり、長年務めていたトロンボーンの首席奏者が去ったりと、関係がキクシャクしていた頃らしい。オーマンディも単独でヨーロッパに出向いて客演しているらしく、最近その一端が、ライヴ録音としてリリースされたりしている。このドヴォルザークはいざこざの緊急避難的な活動の中で行われたものだ。オーケストラが異なれば、指揮者は同じでも違ったものに聴こえる。やや荒っぽい感じはするのは、オーマンディの目指すものを十分にオケ側が体得していないからだろうが、その違いもファンの楽しみではある。解説にもあったが、LSOは同じ時期にケルテスの指揮で同じ曲をデッカに録音している。そちらも手許にあるので、一度聴き比べするのも一興とは思うが、まだ果たせていない。
メンデルスゾーンの方はオーソドックスながら、あまり面白みのない演奏のように聴こえた。一つはこの曲にあまり興味がないせいもあると思われる。トスカニーニほど強烈ではない。