源氏鶏太の会社を舞台にした小説の映画化。商事会社の三兄弟が同じ家の三姉妹を嫁にするというコミカルな内容である。これを早口で台詞を機関銃のように俳優に言わせるから、一種独特の増村ワールドが展開される。イタリアあたりのコメディのような雰囲気である。
父親が創業した商事会社を今は長男が社長をし、次男が営業部長。三男は他社で修業中。こういう状況から始まる。そして最初は次男の結婚式から話は始まる。長男、次男ともに社長秘書と恋愛結婚。長男の嫁は自分の末妹を三男と結婚させようと躍起になる.....。そういうちょっとおとぎ話のような内容ではある。長男は気が弱く恐妻家。したがって、嫁が会社の人事にも介入するから、たいへんである。今だったら、ガバナンスの利かない会社ということで、×である。60年近く前のこれから経済発展する時代でまだこうしたことは違和感なく、観られた頃の話で、そういう意味では遠い昔話ではあると思った。