市川右太衛門十八番の退屈男シリーズで、今回は京都が舞台である。薩摩の島津家の浮沈に関わるのだが、このシリーズにはよく薩摩藩が何故か多く登場するような気がする。京都所司代が悪の総元締めである。公家や朝廷が絡むところは、幕末の話のようだが、早乙女主水之介の時代は五代将軍・綱吉の代である。
話は極めて単純であり、勧善懲悪の従来のパターンである。ただ、HDにリマスターされて、それをBDに移して観てみると、衣裳の鮮やかさは今の映画にはないものだ。主人公の衣裳だけでなく、あらゆる衣裳が派手である。たまには理屈抜きで、御大の見栄とコメディ・リリーフの絡みなどを楽しみ、殺陣に興じるのもいい。