レナータ・テバルディ(ソプラノ:蝶々さん)
カルロ・ベルゴンツイィ(テノール:ピンカートン)
アンジェロ・メルクリアーリ(テノール:ゴロー)
フィオレンツァ・コッソット(メゾ・ソプラノ:スズキ)
エンツォ・ソルデッロ(バリトン:シャープレス)
ヴィルジオ・カルノナーリ(バス:神主)
パオロ・ワシントン(バス:ボンゾ)
オスカー・ナンニ(バス:ヤクシデ)
ミケーレ・カッザート(バリトン:ヤマドリ)
リディア・ネロッツィ(メゾ・ソプラノ:ケイト)
トゥリオ・セラフィン指揮
ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団・合唱団
これも前回に取り上げた「西部の娘」と同時期にテバルディを主役に据えたプッチーニのオペラ全曲盤ものである。オーケストラと合唱は同一のアンサンブルで、これはベテランのセラフィンが指揮をしている。
後年、カラヤン/VPOという布陣でデッカはこの曲を再度録音しているが、こちらの方が地元らしい演奏ではある。ただし、オーケストラは幾分粗い感じはする。それでも雰囲気は十分。唯一の不満は軍艦の大砲の擬音ではあった。わかりやすさをモットーとしたカルショウのアイディアなのか。しかし、それは余計なお世話だと感じる。「指輪」でも馬を歩かせて蹄の音を入れる風景の写真が載っていたが、同じ発想のようだ。1900年頃の船の大砲というより高射砲のような音だった。音楽でのみ勝負して欲しかった。