レナータ・テバルディ(ソプラノ:ミニー)
マリオ・デル・モナコ(テノール:ディック・ジョンソン)
コーネル・マクニール(バリトン:ジャック・ランス)他
フランコ。カプアーナ指揮 ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団・合唱団
原盤:デッカ
かつての名テノールのデル・モナコのオペラが急に聴きたくなって、入手したもの。「トゥーランドット」に次ぐものだが、よく見たらウラニアというレーベルで、デッカのライセンスを得てリリースしたものだった。ちゃんとステレオ音源になっていて、このレーベルでは初のステレオ盤を手にしたことになる。廉価盤なので、解説も対訳歌詞も一切掲載がない。だいたい筋を知っているので、音楽に専心することとした。
しかし、プッチーニの作品でもあまり人気がないのは、ちょっと通俗的な素材がもろに出てしまっているからだろう。明らかにラグタイムの引用があったりして、ちょっと違ったテイストなのだ。日本や中国の民謡を転用するのとはちょっと勝手が違ったような感じを受ける。歌詞にもやたらと英語が混じるのも、逆に違和感があったりする。内容は西部劇である。盗賊と保安官の打ち合いもあったりするが、活劇にはならず、男女の関係に重きがあるので、話自体も面白くはない。ミニーとはディスニーのキャラクターと同名だが、あばずれで少しも可憐な感じでないのも、共感を得にくいのかもしれない。