伊福部昭
①ヴァイオリン協奏曲第2番 加藤知子(Vn)
②シンフォニア・タカプーラ
高関健指揮 札幌交響楽団 2014.5.30,31 札幌コンサートホール(ライヴ)
これは先に記事にしたVol.10の②③とともに札幌交響楽団の第569回定期演奏会で演奏されたものである。
まず、①のヴァイオリン協奏曲第2番が極めて珍しい。第1番は協奏的狂詩曲として「ゴジラ」のタイトルバックの素材を包含する作品として有名だが、この作品は1978年にブルノで初演された作品だ。委嘱者の小林武史のソロ、ズデニェック・コシュラーの指揮だった。
すべて切れ目なしに演奏される作品で、バックのオーケストラは伊福部節が全開である。映画音楽に使われた素材は殆どないが、聴きなれた伊福部作品に他ならない。譜面は見たことはないが、相当演奏は難しそうで、それがなかなか演奏頻度が低い原因になっているのではなかろうか。しかし、氏が若い頃活動していた札幌のオーケストラが演奏したことは喜ばしい。というのも、この曲のもう一つの音源も所持しているが、オーケストラは日本の団体ではなく、アルメニアのオーケストラだった。伊福部作品は外国のオケが演奏されると何か物足らないものがある。おとなしすぎたりで、掘り下げ浅い印象がが強い。初演時もどうだったのか。向こうの人には理解できない要素があるのかもしれない。