映像の最後に1984という数字が出てくるので、1984年の公演のようである。もう何十年も前の映像だから、画質は必ずしも最上ではない。しかし、この映像はイタリア・オペラの重鎮だったジャナンドレア・カヴァッツェーニがスカラ座のアンサンブルの指揮をしているところがたいへん貴重だ。歌手ではオロンテ役のホセ・カレーラスが扮している。
「ナブッコ」の成功を受けて作られたものというが、残念ながらあまり上演される機会はないのではなかろうか。殊に日本では今一つ知られていないヴェルディの作品ではなかろうか。しかし、初期のヴェルディならでは音楽の推進力はあるあし、宗教的内容ながら、話の展開もスペクタクルで面白い。生誕200周年を期に見直されるのではなかろうか。