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プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」(ハンブルク2012年)

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『蝶々夫人』全曲 ブッサール演出、ジョエル&ハンブルク国立歌劇場、ヴルガリドゥ、イリンカイ、他(2012 ステレオ)
蝶々さん:アレクシア・ヴルガリドゥ(ソプラノ)
 スズキ:クリスティーナ・ダミアン(メゾ・ソプラノ)
 ピンカートン:テオドール・イリンカイ(テノール)
 領事シャープレス:ラウリ・ヴァサール(バリトン)
 ゴロー:ユルゲン・ザッハー(テノール)
 ケイト・ピンカートン:イダ・アルドリアン(メゾ・ソプラノ)
 ヤマドリ公爵:ヴィクトール・ラド(バリトン)
 勅使:トーマス・フローリオ(バリトン)、他
 ハンブルク国立歌劇場合唱団(合唱指揮:クリスティアン・ギュンター)
 ハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団
 アレクサンダー・ジョエル(指揮)

 演出:ヴィンセント・ブッサール
 装置:ヴァンサン・ルメール
 衣装:クリスティアン・ラクロワ
 照明:グィド・レヴィ

 収録時期:2012年
 収録場所:ハンブルク国立歌劇場(ライヴ)
 
 この演目はどう演出しても、日本人として突っ込みをいれたくなり、また違和感を覚えるものではある。日本の風俗を正確に考証してもそうである。一つには原作そのものに、日本への誤った理解もあるし、プッチーニも行ったこともない東洋の島国を十分理解していないからだろう。それは「トゥーランドット」で中国人が感じるものと同じではなかろうか。
 
 さて、この舞台も現代化されていて、登場は「和服」で登場するヒロインも第2幕以降はジーンズ姿である。逆にその方があっさりとして妙なエキゾチシズムなどない方がいい。また、ボンゾは僧侶だが、この舞台では軍人のようである。一方、ピンカートンの妻はアメリカ女性ということで扮装がマリリン・モンローのような顔立ちにしてあるのはご愛嬌か。領事もゴローもやや現代風の背広を着ている。
 
 最後、自害するシーンはヒロインは舞台裏に隠れて、息子として抱いていた人形が出てきて、頭が落ちて壊れることで示されるが、この子を父親に預けてしまうという設定にやや無理があったような印象だ。
 
 演奏の方は、オーケストラは好演、歌手は全て未知の人たちだが、ピンカートン役のテノールにやや不満を覚えた。


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