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歌劇『トゥーランドット』 カラヤン&ウィーン・フィル

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歌劇『トゥーランドット』 カラヤン&ウィーン・フィル、リッチャレッリ、ドミンゴ、ヘンドリックス、ライモンディ
プッチーニ:歌劇『トゥーランドット』全曲

トゥーランドット:カーティア・リッチャレッリ(ソプラノ)
皇帝アルトゥム:ピエロ・デ・パルマ(テノール)
ティムール:ルッジェロ・ライモンディ(バス)
王子カラフ:プラシド・ドミンゴ(テノール)
リュー:バーバラ・ヘンドリックス(テノール)
ピン:ゴットフリート・ホーニク(バリトン)
パン:ハインツ・ツェドニク(テノール)
ポン:フランシスコ・アライサ(テノール)
役人:ジークムント・ニムスゲルン(バス)
ウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーン少年合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
録音:1981年5月、ウィーン
デジタル録音
 
 初出当時、評判を呼んだ録音で、もう30年以上も前の録音だ。当時はオペラは音だけでなく、所作演技も含めて観たいと思うようになっていて、CDやレコードの鑑賞には消極的なっていたのを覚えている。それにリッチャレッリがタイトル・ロールはいささか荷が重いのではという疑問もあって、永らく聴くことはなかった。
 
 それが最近、巨匠カラヤンを見直そうと思うようになり、価格も廉価になったので、聴こうと思ったのだ。実はこの演目をCDとしては初めて購入したものだ。映像ソフトが先行してしまったのである。字幕などで親しんでいたので、だいたいどういうシーンかは頭に入っているので、逆に楽に鑑賞できた。
 
 さて、カラヤンはVPOを振ったプッチーニのオペラはこれが3つ目ではなかろうか。デッカに「トスカ」と「蝶々夫人」があった。今回はデジタル時代になっての録音。歌手も一流、オーケストラ、コーラスも一流で組み合わせは申し分ない。演奏も極上と言いたいが、やや劇的な緊張が感じられなかった。実演とセッションの違いがあるのかもしれない。第1幕のフィナーレはもっと劇的もよいのではないかと思うのだが、この録音はややおとなしい。タイトルロールはなかなか声を発しないという少々ユニ-クな作品だ。第2幕も第2場になって初めて台詞がある。2枚組の内、2枚目の冒頭でようやくリッチャレッリの歌声に接するという構成。やはり、この役には少々軽めの声だ。ワグネリアンのドラマティック・ソプラノを念頭に書かれたのだから、ここは少々不満なところ。
 
 しかし、冷静に考えるとカラフという男の軽率なところや、トゥーランドット姫の身勝手で往生際の悪さは、どうも共感を覚えない。最後、何となくめでたしめでたしで無理やり完結しているのも、芝居構成上不満を覚える。これは演奏内容とはいささか異なる次元ではある。

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