大映テレビが1970年代後半に製作した「赤い」シリーズの一つ。第4作目のもの。当時人気があった山口百恵と三浦友和の共演主演となったもので、東宝系で封切られた諸作に対抗した形で、テレビ放映されたドラマだった。
当初は必ずしも主演ではなかったが、本作あたりから主演となったのではないか。当時は殆ど観ておらず、その大甘なドラマ構成が嫌でもあった。ところが最近見直してみる機会を得た。CSのTBSチャンネルでの放映だ。改めてみると、まず演出陣に目がいった。大映東京で活躍した増村保造監督や東映東京で活躍した瀬川昌治監督や降旗康男監督といった第一線の人たちが手掛けていたことに驚いた。増村監督の場合は本拠の大映が経営破綻してしまって、各社をフリーで活動をしていたのは知っていたが、こうしたテレビドラマもやっていたのだ。
そういったことを踏まえて見直すと、案外古風な作りであることがわかった。当時アイドルだった山口百恵も今観るとかなり地味なタレントだった。全部で29話。宇津井健や中條静夫といった大映東京で活動した俳優らが脇を固める。