【収録情報】
・マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
録音時期:1973年2月
録音場所:ベルリン、イエス・キリスト教会
録音方式:ステレオ(セッション)
・マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
録音時期:1973年2月
録音場所:ベルリン、イエス・キリスト教会
録音方式:ステレオ(セッション)
最近、少しずつこの20世紀の巨匠指揮者を改めて聴こうという気になっている。実は、この指揮者はかなり冷めて目でみていて、生前に新録音が出ても飛びつかなかった。正直、どこか馴染めないものがあった。そして、マーラーの作品が出現した時に、何故だと思ったものだ。カラヤンがマーラーに関して、全くの無知でなかったのはわかるが、取り上げなかったのは政治的な理由もあったにせよ、このマエストロの好みでなかった要素もあったのかもしれない。
この録音はカラヤンが初めて世に問うたマーラーの交響曲の最初の録音だ。録音年月をみると40年余経過している。まだアナログ録音の時代だ。この後、第4番、第6番、第9番、「大地の歌」などが続く。その他管弦楽伴奏の歌曲も録音している。2年もの練習をしたというから、慎重に準備したということか。バーンスタインがBPOに客演してマーラーの第9番を振った折、明らかにマーラーに対しては不慣れと感じたらしく、リハーサルも時間を要したと聞いたことがある。BPOは第2番なんかを初演したオケだが、それははるか昔のことである。
ナチスに入党していたカラヤンがブームにあやかったのだというやや批判めいた話も聞いたが、そういうことよりも慎重を期して準備したという事実がどうしても気になる。演奏はこの人らしく完璧なものだが、正直言って完璧すぎて、面白味や感動はなかった。