最近、観たという訳ではないが、サイトを眺めていたら、ふとこの映画のことがよぎった。まだ映画ファンになる前の子供の頃から、この映画はディズニーが制作していたのを知っていた。というのも、日本テレビ系列で午後8:00から隔週で(プロレスと交互に)放送されていた「ディズニー・ランド」という番組で紹介していたからだ。この映像は今DVDの特典映像になっていると思う。この番組ではスタッフの発言やスターなどの発言も確か日本語吹き替えだったと思う。エキストラ役に所作を指導しているところなどが出ていた。
後日、本国ではこの番組が始まる時に最初に放送されたのが、この映画の宣伝を兼ねた紹介だったという。テレビで観た時は、日本でリバイバル上映していたかもしれない。製作がかなり年数は経過していたかと記憶している。子供の頃はスターの名前など全く知らなかった。かろうじてカーク・ダグラスは顔と名前が一致していたくらいだった。共演のジェイムス・メイソンは「北北西に進路を取れ」とか「邪魔者は消せ」といった名作に出演している大スターだ。また、狂言廻し役のピーター・ローレが出ているのには、再見の折驚いたものだ。この人はユダヤ系だったのか、最初はドイツ映画なんかに出ていて、その当時の代表作はフリッツ・ラング監督の「M」で主役だった。後にアメリカに渡って「カサブランカ」にも出ていた。そういう俳優が出ているので、改めて凄い顔ぶれの共演だなと思った。
そして、もう一つ興味があるのは監督だ。リチャード・フライシャー監督は後年「バイキング」や「トラ・トラ・トラ!」なんかを撮った人だが、もう一つの顔はその父君が「ポパイ」を作った人なのだ。ウォルト・ディズニーにすれば、ミッキー・マウスの強力なコンペティターだ。そういう監督を起用するというのは、アメリカらしく、ドライで実力本位なのだなと感心したものだ。
何気に観ていた映画に大物が出てきたなんて、よくあることでいろいろな知識を仕入れて観ると、観方が変って面白い。映画の一つの楽しみだと思う。