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ミュンシュの「ワルキューレ」第1幕

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【収録情報】
・ワーグナー:楽劇『ワルキューレ』第1幕全曲

 マーガレット・ハーショウ(ソプラノ、ジークリンデ役)
 アルバート・ダ・コスタ(テノール、ジークムンド役)
 ジェイムズ・ピース(バリトン、フンディング役)
 ボストン交響楽団
 シャルル・ミュンシュ(指揮)

 録音時期:1956年7月21日
 録音場所:タングルウッド音楽祭
 録音方式:モノラル(ライヴ)
 
 まず、こういうものが存在するのが驚きだ。ミュンシュは殆どオペラでは指揮活動がないと聞かされてきたが、演奏会形式ながらこうしたものを取り上げていたのである。若い頃、ライピツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンマスを務め、ワルターやフルトヴェングラーの指揮を間近で接していたし、このオケはピットにも入ることがあったので、オペラ演奏の経験はあったものと思う。
 
 しかし、RCAでボストン交響楽団を振っていた時代、オペラから抜粋した管弦楽曲は録音してもオペラそのものの録音はなかった。ワーグナーも序曲などを集めたものは確かにあった。しかし、このように部分的にしろオペラの指揮はこの録音で初めて聴く。
 
 さて、冒頭の低弦の唸る箇所だが、極めて速いテンポでオーケストラを最初から煽っている。クレンペラーやクナッパーツブッシュといった往年のドイツの指揮者とはまた違う面白さがある。ボストン交響楽団もよく指揮に喰らい付いている様子。歌手も懸命にこなしているが、ジークムント役のダ・コスタ以外は知らない人たちだ。ライヴなのでスリリングでもある。

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