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オーマンディによるチャイコフスキー:交響曲第5番他

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チャイコフスキー : 交響曲第5番&スラヴ行進曲/イタリア奇想曲
(曲目)
チャイコフスキー
①交響曲第5番ホ短調作品74      1974.3.21
②スラヴ行進曲               1972.2.17
③イタリア奇想曲              1972.2.16
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
Recording Place:Scotish Rite Cathedral, Philadelphia
 
 1968年にCBSからRCAに移籍して、数年が経過した頃の録音である。長年CBSで慣れ親しんできたので、RCAの録音はちょっと戸惑いを覚えたものだ。オーマンディにしてみれば、元の鞘に収まったようなものだが、前回の専属は戦前のことなどで、知るよしもない。
 
 3曲収録の中で、第5番はこのマエストロの十八番である。生涯に5回も録音しているから驚く。SPに始まり、最後はデジタル録音にまで跨っている。1941年(RCA)、1950年(CBS)、1959年(CBS)、1974年(RCA)、1981年(デロス)といった具合だ。最初の2つは残念ながら未聴であるが、後は当盤も含めて手許にある。この中では1959年のCBS盤が好みだが、このRCA盤も悪くない。最後のデロス盤はクリアだが、やや老いた感じは否めない。
 
 それにしても、オーマンディは日本では軽く見られている。小品や協奏曲が多いからだが、その一面だけで判断しているのか、軽めのサウンドを忌避する傾向もあるみたいだ。ドイツあたりの大家のシリアスなものを珍重する面も大きいかもしれない。だが、音楽は理屈を言う前にエンターテイメントなのだ。聴いていて心地が良いかどうかだ。精神訓練の場ではない。だとすると、これはこれで立派な演奏なのである。このオーケストラと指揮者は実に聴く者の心地をよくしてくれるのである。
 

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