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オーマンディ:チャイコフスキー後期三大交響曲集(CBS)

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【曲目】
チャイコフスキー:
<DISC1>
1.交響曲第4番 ヘ短調 作品36
2.序曲「1812年」 作品49
3.イタリア奇想曲 作品45

<DISC2>
4.交響曲第5番 ホ短調 作品64
5.弦楽セレナード ハ長調作品48

<DISC3>
6.交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」
7.スラヴ行進曲 作品31
8.幻想序曲「ロメオとジュリエット」

【演奏】
フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ

【録音】
1963年11月13日(1)、1959年4月12日(2)、1966年2月22日(3)、1960年4月10日(6)、1964年4月27日(7)、1964年4月14日(8)、フィラデルフィア、タウン・ホール
1959年1月25日(4)、1960年4月10日(5)、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテル
ADD/STEREO
 
 オーマンディはチャイコフスキーを十八番にしていた。フィラデルフィア管弦楽団と最初に録音したのも、チャイコフスキーの第6番「悲愴」だった。その後、何回も録音を繰り返し、RCAやCBSだけでなく、新興のデロスにまで録音していたように思う。
 
 今、ここで取り上げているのは、CBSに録音したステレオによるセッション録音である。3つの交響曲以外にも有名な管弦楽曲がフィルアップされているのがうれしい。弦楽サレナードなどは、17cmLPを買ってもらってよく聴いていた懐かしい演奏でもある。しかし、これはオーマンディ独自のカットがあって、他の指揮者のものを聴くとここにはない部分は多々あって、驚いたこともあった。
 
 古い録音だが、分離は意外にいい。RCAに入れた後年のものを凌駕するという意見もあるが、「悲愴」の第3楽章でトロンボーンが1stと2ndとがかけあいで1つのフレーズを演奏するところはきちんとそれがわかるようになっているのだ。一番古いのが第4番で一番新しいのがイタリア奇想曲となっている。指揮者が60歳から68歳の時期のもので、一番円熟した時代ではなかろうか。
 
 総じて、ユージン・オーマンディの評価は日本では低い。不当に、という人もいるくらいで、小品の大家とかあわせもののスペシャリストとかいう表現も承知している。だが、この指揮者はやはりただ者ではない。他のオーケストラに客演しても、ちゃんと彼の追及するサウンドを引き出しているのがまず凄いし、結構現代音楽を初演したりして、進取の姿勢もある。そして正統的なレパートリーは名演を聴かせてくれる。個人的にも見直したい指揮者であり、こうした復刻はありがたい。

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