先日は永井一郎氏の訃報が大々的に報じられていた。「サザエさん」の磯野波平役があまりに有名だからかもしれない。また、仕事先で突然亡くなったということもあったかもしれない。実はこのこの方は京都大卒で、あの大島渚監督や戸浦六宏とは同窓なのだ。「日本の夜と霧」では「アコーディオンの学生」役で出演しているし、「太陽の墓場」ではチンピラ役で出ている。
出発は演劇なのである。この世代はまず演劇があって、声優もやるという人が多かったようだ。後は放送劇団の出身者もいる。
それに先立って加藤精三氏の訃報もあった。アニメ「巨人の星」では父親役の星一徹役が有名で、最近でもそのキャラクターを使ったCMにも元気な声を聞かせてくれていた。私からすると「逃亡者」でリチャード・キンブル(デイヴィッド・ジャンセン)を追跡するジェラード警部(バリー・モース)の声のほうが印象深い。どちらかというと冷酷な役どころを得意としていた風があった。
いずれは世代交代でこうした訃報は必ずあるのだが、やはり寂しいものを感じる。お二人のご冥福を祈りたい。