最近の姿からすると、その病状が心配だったが、ついに亡くなった。夫人の後を追うような形だった。
芸歴は古く、幼い頃からスクリーンに出ていた。兄の長門裕之が「沢村アキオ」だったように、彼は「沢村アサヒコ」の名で出ていた。父の沢村国太郎の一家ということがわかるように、だ。阪東妻三郎の映画によく出ていた。また少し長じると沢村が加藤に代わり、溝口健二監督の「山椒大夫」や吉村公三郎監督の「夜明け前」にも出ていた。そして、我々が馴染む芸名になるのは日活に移ってからだった。「狂った果実」では石原裕次郎や北原三枝以上に存在感があった。その後、松竹に移籍。芸能ダネになったりして、必ずしも世評は芳しくなかった。それでもいろいろな作品に登場して安定した演技を見せてくれた。
お疲れ様でした。