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Channel: 趣味の部屋
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女ひとり大地を行く(亀井文夫監督・キヌタ・プロ1953年)

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 生硬な作品ということで長年回避していたものだが、怖いもの見たさに観てみた。公開版は132分だが、フィルムセンターにはもう32分長いオリジナル最長版が保存されているという。だが、それを敢えて観たいという気持ちにはならなかった。決して明るくなく、今ではパワハラみたいな行動のオンパレードがあり、共産党政権下の中国が労働者の天国という認識には違和感も覚える。しかし、それは当時の社会主義に対する「幻想」が強かった証左で、時代を感じればいい。だが、今の虐待行為や裏切りなど観ていたいつらいものが出てきて、楽しい作品ではやはりなかった。

 亀井文夫監督は1947年に山本薩夫監督と共同で製作した「戦争と平和」以来、撮ってきた劇映画はこの作品が最後だったように思う。劇映画という表現にこの監督自身限界を感じたのかもしれない。戦前の「戦ふ兵隊」なんかはいい意味で鋭かったが、役者を使いこなせなったのだろうと思う。

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