ポポーフ
交響曲第１番作品７
飯森範親指揮 東京交響楽団
2016.8.4 サントリー・ホール、東京（ライヴ）
ガヴリール・ニコラエヴィチ・ポポーフは1904年に生まれ1972に没した旧ソ連の作曲家。ほぼショスタコーヴィチと同年代の人ということになる。６つの交響曲や映画音楽を残したのだが、この第１番は1935年に初演直後、検閲局長から演奏禁止の司令が出てしまい、以後不遇をかこつ。それでも多くの曲を書くのだが、政治情勢の制限下での活動を余儀なくされたらしい。
当然彼を知る日本の音楽ファンはそう多くない。かく言う自分もこの飯森氏による日本初演ライヴのCDが出て初めて知った人だ。基本４管編成で殊にホルンやトロンボーンは通常より多くの奏者を要するようだ。検閲局はこれを混乱をもたらすということで演奏禁止したらしいが、殆ど云いがかりである。その後英米で演奏されて録音もあるようだが、日本で演奏されることはなかった。よく取り上げｔな感心するし、演奏も素晴らしい。東京交響楽団は東宝の映画音楽専門に設立され、その後東宝を離れて自主活動に入って、上田仁の指揮で数多くの現代曲を本邦初演した楽団だ。その伝統が今も脈々と流れていることをまず喜びたい。