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テアトロ・コムナーレのプッチーニ:三部作

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『プッチーニ:《三部作》』

【曲目】
歌劇《外套》
歌劇《修道女アンジェリカ》
歌劇《ジャンニ・スキッキ》

【演奏】
<外套>
ミケーレ … アルベルト・マストロマリーノ
ルイージ … ルーベンス・ペリッツァーリ
ジョルジェッタ … アマリッリ・ニッツァ 
<修道女アンジェリカ>
アンジェリカ … アマリッリ・ニッツァ
公爵夫人 … アンナマリア・キウーリ
ジェノヴィエッファ … パオラ・サントゥッチ 
<ジャンニ・スキッキ>
ジャンニ・スキッキ … アルベルト・マストロマリーノ
ラウレッタ … アマリッリ・ニッツァ
リヌッチョ … アンドレア・ジョヴァンニーニ
ツィータ … アンナマリア・キウーリ 

ジュリアン・レイノルズ(指揮)
アルトゥーロ・トスカニーニ財団管弦楽団
モデナ・テアトロ・コムナーレ・リリコ・アマデウス合唱団
モデナ・テアトロ・コムナーレ少年合唱団

演出:クリスティーナ・ペッツォーリ
装置:ジャコモ・アンドリコ
衣裳:ジャンルカ・フラスキ
照明:チェーザレ・アッチェッタ

【収録】
2007年2月8日 モデナ・テアトロ・コムナーレ(ライヴ)〔イタリア語上演〕
 
 プッチーニの「三部作」はなかなかお目にかかれない演目のようだ。この一作が他の演目との組み合わせで上演されることもあるが、3つまとめてとなるとあまりないらしい。映像ソフトはここのところ数点見かけるが、それでもそう多くはない。一番古いところでは、巨匠ジャンンドレア・カヴァッツェーニが指揮したスカラ座のものがある。スターを揃えて、装置も3種類が必要で、衣裳もたいへんそうだ。
 
 今回鑑賞したこのモデナのものは、まず主要キャストを同一の歌手が兼務しているのが注目だ。ニッツァは3作全て主演しているし、マストロマリーノは2作主演している。全て役柄が異なるので、これまた大変である。ただ、この公演にはスーパースターはおらず、中堅の芸達者や新進の歌手たちが担っている。ピットのオーケストラも40歳までの若手奏者からなるものらしい。却って統一感が出来て、充実しているように見える。ただし、真ん中の女声中心の「修道女アンジェリカ」はそれぞれの歌手の力量の差が素人にもわかるくらいついていて、中には音程が不安定な人もいてそれが残念だった。しかし、一方でスカラ座であまり聴こえなかったバンダのピアノの音とか、コーラスの男声や児童合唱も明瞭に聴き分けられたのには驚いた。アンジェリカの死ぬ直前に先に亡くなった息子が登場して抱き合う情景も明瞭でわかりやすい演出には好感が持てた。

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