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ワイマール国民劇場/ワーグナー:『ニーベルングの指環』全曲(日本語字幕付)

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収録情報】
ワーグナー:『ニーベルングの指環』全曲


● 前夜劇『ラインの黄金』全曲(収録時間:166分)

まず冒頭で、幼い子供に置き換えられた三人のノルンが語る終末への物語(ヴォルフガンク・ヴィラシェック作)が語られます。舞台自体はこじんまりとしたもので、若干のチープさも感じられもしますが、それ以上に様々な工夫には感心するほかありません。ラインの乙女たちが泳ぐ川の流れ、神々が渡る橋、ホッピングシューズを用いた巨人族ファフナーの妖しい動き(日本のホープ、妻屋氏が演じています)など、とにかく見てのお楽しみです。歌手たちの知名度はまだまだではありますが、全体に漲る熱っぽさ、そして手作り感が、この舞台を極度に親しみやすいものにしています。(輸入元情報)

ヴォータン…マリオ・ホフ(バリトン)
ドンナー…アレクサンダー・ギュンター(バス・バリトン)
フロー…ジャン=ノエル・ブリエント(テノール)
ローゲ…エリン・カーヴス(テノール)
アルベリヒ…トーマス・メーヴェス(バリトン)
ミーメ…フリーデル・アウリッヒ(テノール)
ファーゾルト…レナトゥス・メツァール(バス)
ファフナー…妻屋秀和(バス)
フリッカ…クリスティーネ・ハンスマン(メゾ・ソプラノ)
フライア…マリエッタ・ツムビュルト(ソプラノ)
エルダ…ナディーネ・ヴァイスマン(アルト)
ヴォークリンデ…シロナ・ミチェル(ソプラノ)、他

● 『ワルキューレ』全曲(収録時間:237分)

『指環』第1夜です。『ラインの黄金』でこの世界観に慣れてしまえば、もう何が出てきても驚くことはありません。幕明けと共に轟々と鳴り響くはずの前奏曲・・・その前にワルキューレたちの歌と寸劇が挿入され(ヴォルフガンク・ヴィラシェック作)、聴き手を「巧妙につくられた世界」へと誘うやり方は『ラインの黄金』と同じです。ヴォータンに手をひかれ森へやって来た幼い兄妹が再会し、愛を育む場面(この舞台のために頭を丸めたという妻屋氏の壮絶な演技も見どころです)。そして彼らを見守るブリュンヒルデとヴォータンとの葛藤。これらが見事なまでにわかりやすく描かれています。物語で重要な働きをするブリュンヒルデの愛馬グラーネの勇姿も見どころです。そして幕切れで、花嫁衣装をまとったブリュンヒルデが火に包まれる前に浮かべる恍惚の表情がこの物語の核心です。(輸入元情報)

ジークムント…エリン・カーヴス(テノール)
フンディング…妻屋秀和(バス)
ヴォータン…レナトゥス・メツァール(バリトン)
ジークリンデ…キルステン・ブランク(ソプラノ)
ブリュンヒルデ…カテリーネ・フォスター(ソプラノ)
フリッカ…クリスティーネ・ハンスマン(メゾ・ソプラノ)
ヘルムヴィーゲ…シロナ・ミチェル(ソプラノ)
オルトリンデ…ヨアナ・キャスパー(ソプラノ)
ヴァルトラウテ…マリー=ヘレン・ヨエル(メゾ・ソプラノ)
ジークルーネ…キャロラ・グーバー(メゾ・ソプラノ)
ロスヴァイセ…クリスティアーネ・バッセク(メゾ・ソプラノ)
グリムゲルデ…ケルスティン・クヴァント(アルト)
シュヴェルツライテ…ナディーネ・ヴァイスマン(アルト)
グラーネ…エリカ・クレーメル、他

● 第2夜『ジークフリート』全曲(収録時間:251分)

ここでも独自の世界観がきらりと光る演出を目の当たりにすることができるでしょう。すっかり世話焼きおばさんと化したミーメ、やんちゃ坊主のジークフリート。これはある意味物語に忠実です。巨大過ぎるファフナー(ソファでポテチを食べすぎて太ってしまった人がイメージだとか)は自ら死を望んでいて、ジークフリートに倒される時は喜びの表情を浮かべます。英雄となったジークフリートは首尾よくブリュンヒルデを救い出しますが・・・。今作では配役にも注目。『ラインの黄金』の時とはアルベリヒとヴォータン役が逆になっています。これにも何か意味があるのでしょうか。様々な場面に深い深い意味が隠されているこの『ジークフリート』。演出を担当するシュルツは第3夜の『神々の黄昏』に於いて、この混沌とした物語にどのような結末を与えるのでしょうか。(輸入元情報)

ジークフリート…ジョニー・ファン・ハル(テノール)
ミーメ…フリーダー・アウリッヒ(テノール)
ヴォータンまたの名をさすらい人…トーマス・メーヴェス(バリトン)
アルベリヒ…マリオ・ホフ(バリトン)
ファフナー…妻屋秀和(バス)
ブリュンヒルデ…キャスリーン・フォスター(ソプラノ)
森の小鳥…ハイケ・ポルシュタイン(ソプラノ)
エルダ…ナディーネ・ヴァイスマン(アルト)
グラーネ…エリカ・クレーメル、他

● 第3夜『神々の黄昏』全曲(収録時間:277分)

ジークフリートまでに張り巡らされた伏線は全てこの『神々の黄昏』で解決されます。旅立つジークフリートを名残惜しそうに見守るブリュンヒルデ、そんな彼女をあっさり忘れてしまうジークフリート。彼を陥れるギービヒ家の者たち。それぞれの思惑が交錯し最後のクライマックスを迎えます。最後までブリュンヒルデを裏切らないのは愛馬グラーネでした。常にブリュンヒルデに寄り添っていたグラーネは、最後に満足気な笑みを浮かべ共に火の中に身を投じるか・・・と思いきやその結末は? ちなみにグラーネ役のクレーマーの見事な銀髪は地毛だそうです。(輸入元情報)

ジークフリート…ノルベルト・シュミットベルク(テノール)
グンター…マリオ・ホフ(バリトン)
アルベリヒ…トーマス・メーヴェス(バリトン)
ハーゲン…レナトゥス・メツァール(バス)
ブリュンヒルデ…キャスリーン・フォスター(ソプラノ)
グートルーネ…マリエッタ・ツムビュルト(ソプラノ)
ヴァルトラウデ/エルダ…ナディーネ・ヴァイスマン(アルト)
第1のノルン…クリスティーネ・ハンスマン(メゾ・ソプラノ)
第2のノルン…ナディーネ・ヴァイスマン(アルト)
第3のノルン/ヴォークリンデ…ジロナ・ミヒェル(ソプラノ)
ヴェルグンデ/ワルキューレ…スーザン・ギュンター=ディスマイヤー(ソプラノ)
フロスヒルデ/ワルキューレ…クリスティアーネ・バッセク(メゾ・ソプラノ)
グラーネ…エリカ・クレーマー

 シュターツカペレ・ワイマール
カール・セント・クレア(指揮)

演出:ミヒャエル・シュルツ
装置:ディルク・ベッカー
衣装:ルネ・リスターダル
ドラマトゥルギー:ヴォルフガンク・ヴィラシェック

収録時期:2008年
収録場所:ドイツ、ワイマール国民劇場(ライヴ)
映像監督:ブルックス・ライリー

>日本ではあまり馴染みのない劇場ながら、ここはリストと大いに関係のあった劇場ではなかたろうか。リストはワーグナーとも深い関係にあったから、所縁の劇場とも云える。

 例によってかなり現代化されていて、装置もかなり簡素である。ただ、ユニークなのは子役を使ってノルンとして話の発端を描いたり、寸劇や新しい唄を駆使して、観客にその世界に入れるようにしたりと工夫が多かった。ロンドンやベルリン、ドレスデン、ミラノあたりのメジャーな劇場とは違ったあり方ではなかろうか。出演者の中に日本人のバス歌手の妻屋秀和がいる。どんな履歴か調べてみた。島根県松江市の出身で東京藝術大学を出て今は二期会に属しているようだが、ドイツのライプツィヒに住んで活動をしているようだ。テノールのような華々しさはないが、堅実な感じの歌手のようだ。殊に「ワルキューレ」でのフンディングは迫力があった。出身が山陰なので余計に応援したくなった。

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