東屋三郎という俳優を知っている人はもう殆どいないと思う。古い映画の愛好家くらいなものだが、この人はPCL作品でよく見かけていた人だった。山本嘉次郎監督の「坊っちゃん」で野太鼓役で登場していた。これが1935年の作品。しかし、この人はこの年に亡くなっているということを知った。他に木村荘十二監督の「放浪記」でもカフェの常連として出ていた。これも同年の作品。
画面からすると、至極元気に演技をしていて、病気にはみえなかった。ずっと気になっていたが、今や検索も便利になったので調べてみた。そうするとやはり脳出血による急死だったようだ。大阪の舞台があって、楽屋で倒れたとある。享年46歳。当時では標準的な寿命だったのかもしれない。他には自分と同じ大学を出た先輩であることも知った。