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「フィラデルフィア・サウンド」のイギリス作品集

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【曲目】
CD1
エルガー
1.エニグマ変奏曲作品36
2.コケイン序曲作品40
ウォルトン
3.ヴァイオリン協奏曲
CD2
ヴォーン・ウィリアムズ
4.トーマス・タリスの主題による幻想曲
5.グリーンスリーヴスによる幻想曲[歌劇「恋するサー・ジョン」より][グリーヴス編]
ディーリアス
6.ブリッグの定期市(イギリス狂詩曲)
7.ダンス・ラプソディ第2番
8.春初めてのカッコーを聴いて
9.夏の庭で

【演奏】
ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)(3)
フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ

【録音】
1962年4月8日(1)、1963年1月20日(2)、1963年10月13日(4)、1962年4月8日(6)、1961年11月2日(7)、1962年3月11日(8)、1960年11月20日(9)、フィラデルフィア、タウン・ホール
1959年3月1日&14日(3)、1957年4月14日(5)、フィラデルフィア、ブロードウッド・ホテル
[オリジナル・プロデューサー]トーマス・フロスト(1,2、4-9)、ハワード・H・スコット(3)
ADD/STEREO
日本初発売(1-2,6-9)
 
  オーマンディがCBSに入れた録音が次々と陽の目をみている。日本では「小品の大家」と一種の軽蔑的な表現でこの指揮者を評価していたが、これらを聴くに及んで違うという思いが強くなってきた。元来レパートリーは広い人でバロックから現代曲まで及び初演もしくは米国初演した作品も多いと聞く。そういう中でエルガーやディーリアス、RVW、ウォルトンなどの作品が集まっているが、こうしたもので録音していたのか、と驚く。DISC2の方は海外盤でも目にしていたが、CD1の方は初めて接するものである。解説によるとまだウォルトンの作品などを録音しているという。RVWの2作品以外は全て国内盤初という。
 
 こうした作品はビーチャム、ボールトやグローヴスなどで親しまれるようになった。しかし、レコード会社の方で売れ行きに不安を覚えてか、なかなか出してくれなかった。ことに上述のような先入観を持つファンが多いから猶更だろう。しかし、弦セクションが充実しているフィラデルフィアの豊穣な音にこうした作品はぴったりであり、期待に背かない演奏を展開している。機能性の他、柔軟性もあるというところを知らしめるアルバムだと思う。

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