2曲とも、シャルル・ミュンシュがボストン交響楽団を指揮して、1958年に世界初演したものという。ブラックウッドの方はライセンスをRCAが他社に貸与したCDが流通しているし、来日公演でも取り上げていてそのライヴ録音がNHKによってなされている。しかし、ハイエフは今回初めて知る曲である。
ブラックウッドは1933年生まれのアメリカ現代の作曲家。当時は弱冠25歳の新進気鋭の作曲家だったろうと思われる。今も健在で微分音などの研究が有名なのだそうだ。これなんかは音楽と数学が同根であることを示唆するものなのかもしれない。ただし、聴く限りでは至極正統派の交響曲ではある。
一方、アレクセイ・ハイエフは1914年にロシアのシベリアに生まれ、渡米してアメリカで音楽教育を受けて1994年に亡くなった人のようである。多分ロシア革命を避けて、一家で渡米したのではなかろうか。活躍の場はアメリカのようだ。こちらも現代曲特有の難渋な感じは受けない。解説によると初期のピアノ・ソナタを管弦楽に編曲したものという。