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Channel: 趣味の部屋
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番町皿屋敷 お菊と播磨(伊藤大輔・大映京都1954年)

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Baum 香り三昧 Baum 香り三昧 
 
 伊藤大輔監督の作品は割と好きで機会があれば、観るようにしていた。数十年前にフィルムセンターで同監督の特集があって、本作品も上映されたが、見逃していた。やっとCSで放映され、DVDにもなったので、観ることができた。面白いことにCSの放送局は本作を「怪談シリーズ」の1本として放映、その見識のなさに苦笑したものだ。確かにお菊さんの幽霊の話と同一だが、この映画は怪談映画ではない。伊藤作品得意の悲劇ものである。同題材は本作の3年前の松竹で撮った「大江戸五人男」でもやっている話だ。
 
 やや力んでいる感じはあるが、悲壮感漂うところが魅力だと思う。ヒロインの津島恵子は松竹を離れて各社の出演するようになったが、黒澤明監督の「七人の侍」と同時期の作品になるのではなかろうか。楚々とした美しさのある女優さんだった。晩年は優しいお母さんの役柄で印象に残っている。

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