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NHK交響楽団 世界一周演奏旅行1960

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【曲目】
Dics 1 ソ連
(1)チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64
(2)ハイドン:チェロ協奏曲第2番ニ長調
堤剛(チェロ)、岩城宏之(指揮) NHK 交響楽団
[収録:1960年9月4日/モスクワ、チャイコフスキー・ホール(ライヴ)]

Disc 2 ソ連、スイス
(1)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23
(2)同:交響曲第6番ロ短調Op. 7「4悲愴」~第1、2楽章
松浦豊明(ピアノ)、岩城宏之(1)、外山雄三(2)(指揮) NHK 交響楽団
[収録:1960年9月4日/モスクワ、チャイコフスキー・ホール(1)、9月9日/アスコナ、パラッツォ・スコラスティコ(ライヴ)]

Disc 3 スイス、オーストリア、チェコ
(1)チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op. 7「4悲愴」~第3、4楽章
(2)オーストリア、日本両国国歌
(3)J. シュトラウス:美しき青きドナウ
(4)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104
堤剛(チェロ)、岩城宏之(指揮) NHK 交響楽団
[収録:1960年9月9日/アスコナ、パラッツォ・スコラスティコ(1)、9月13日(2)、14日(3)/ウィーン楽友協会ホール、9月17日/プラハ、スメタナ・ホール(4)(ライヴ)]

Dics 4 ポーランド
(1)ポーランド、日本両国国歌
(2)矢代秋雄:チェロ協奏曲
(3)シャベルスキ:3つのソネット
(4)間宮芳生:杁(えんぶり)
(5)黛敏郎:越後獅子
(6)外山雄三:小交響曲~第2楽章
(7)同:ラプソディー
堤剛(チェロ)、岩城宏之(指揮) NHK 交響楽団
[収録:1960年9月19日/ワルシャワ、フィルハーモニア(ライヴ)]

Disc 5 ドイツ、イタリア
(1)黛敏郎:曼荼羅交響曲
(2)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
(3)イタリア、日本両国国歌
(4)ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op. 68~第1、2楽章
園田高弘(ピアノ)、岩城宏之(指揮) NHK 交響楽団
[収録:1960年9月24日/ベルリン、ホッホシューレ・ザール(1)、9月26日/ミュンヘン、ドイツ美術館会議場(2)、10月7日/ローマ、アウディトリウム・フォノ・イタリアーノ(3)(4)(ライヴ)]

Disc 6 イタリア
(1)ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op. 68~第3、4楽章
(2)近衛秀麿:越天楽
(3)高田三郎:山形民謡によるバラード
(4)グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調Op.16
(5)外山雄三:ラプソディー
松浦豊明(ピアノ)、岩城宏之(1)、外山雄三(2)‐(5)(指揮) NHK 交響楽団
[収録:1960年10月7日(1)、8日(2)‐(5)/ローマ、アウディトリウム・フォノ・イタリアーノ(ライヴ)]

Disc 7 イギリス
(1)イギリス、日本両国国歌
(2)外山雄三:ラプソディー
(3)ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調Op.11
(4)ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調Op. 5「5英雄」~第1、2楽章
中村紘子(ピアノ)、ヴィルヘルム・シュヒター(指揮) NHK 交響楽団
[収録:1960年10月18日/ロンドン、ロイヤル・フェスティバル・ホール(ライヴ)]

Disc 8 イギリス、フランス
(1)ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調Op. 5「5英雄」~第3、4楽章
(2)ブラームス:悲劇的序曲
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
(4)ラヴェル:スペイン狂詩曲
中村紘子(ピアノ)、
ヴィルヘルム・シュヒター(1)、岩城宏之(2)‐(4)(指揮) NHK 交響楽団
[収録:1960年10月18日/ロンドン、ロイヤル・フェスティバル・ホール(1)、10月25日/パリ、サル・プレイエル(2)‐(4)(ライヴ)]
 
 話には聞いていたが、その時の録音が一部ではあるもののリリースされた。この直前にヴィルヘルム・シュヒターによる厳しい指導でアンサンブルが飛躍的に向上したという。その成果を本場で試す企画のようだ。表向きは若手の養成ということもあったようだ。指揮者はまだ30代前半の岩城宏之と外山雄三が中心。ソリストの堤剛は18歳、中村紘子は16歳というからよく出したものだと思う。ただし、裏面もあって、シュヒターはドイツあたりでは二流とされて、ドイツやオーストリアでは舞台に上がれなかったという。やはり厳然とした評価というものがあったことを物語る。演奏旅行だから同じ曲をいろいろなところでやっているが、指揮者が違っていたりする。また今回のBOXには収録されなかったものもある。たとえばチェルカスキーが登場したラフマニノフのピアノ協奏曲第2番なんかはない。ただ、今回BOXに漏れたものの、単独でパウル・クレツキとの共演ライヴが後日発売されるようであるのは、喜ばしい。
 
 正直、半分は恐いもの見たさみたいなところがあったが、かなり健闘している演奏ぶりだった。粗くて怪しげなところもあるにはあったが、ライヴ独特の傷で許容範囲内である。ここに登場した音楽家の中で鬼籍に入った人たちもずいぶんあるだろう。ソロを務めた中村紘子も今はいない。56年も前の記録なのである。

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