SFのエイリアンもので、オリジナルの人間に異星の生物が成り代わって、オリジナルの方を抹殺してしまうというスリラー。仕掛けは単純だが、引き込まれていくのは流石だと思った。追いつめられる恐怖、味方だと思っていたら、もう敵方になっているというのが恐いし、訴えても変人扱いされるという絶望感など、心理描写も巧みだ。どういう結末かは、書かないほうがいいだろう。物語は主人公の回想形式だ。何度も再映画化されてもいる。構成は1968年頃放映されたテレビ映画「インベーダー」に似ているのかもしれない。本作同様に植物系で感情があまりないという設定は酷似している。
なお、主人公をみる精神科医は「タイム・トンネル」のカーク所長を演じたホイット・ビッセル。しかし彼の名前は何故かクレジットにない。また、ガスの調査員は後のバイオレンスの巨匠、サム・ペキンパーが扮しているようだ。これだけ面白いのに、日本では劇場では公開されていない。