【収録情報】
① J.S.バッハ:フーガの技法 BWV.1080よりコントラプンクトゥス14(シェルヘン編曲オーケストラ版)
② バリフ:角笛と猟犬
③ マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
① J.S.バッハ:フーガの技法 BWV.1080よりコントラプンクトゥス14(シェルヘン編曲オーケストラ版)
② バリフ:角笛と猟犬
③ マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
ヘルマン・シェルヘン指揮 フランス国立放送管弦楽団
録音時期:1965年11月30日
録音場所:パリ、シャンゼリゼ劇場、ステレオ(ライヴ)
音源提供:ラジオ・フランス
録音場所:パリ、シャンゼリゼ劇場、ステレオ(ライヴ)
音源提供:ラジオ・フランス
マーラーはフランスのターラから出ていたと思う。やたらテンポが速くて終演後、賛否に分かれたとの噂は耳にしていた。恐れをなして、買うのは止めていた。もっともこの前の年にアメリカ・デビュー公演でフィラデルフィア管弦楽団を振ったターラ盤を入手していたので、多分同様な解釈だろうということもあった。フィラデルフィアの聴衆は大いに拍手を送っていたが、大西洋の反対側のパリではそうはいかなかったらしい。時を経て、アルトゥスから初出の前プロと中プロの2曲も伴ってリリースということで購入した。バッハは自らのアレンジ。唐突に終わって聴衆もやや戸惑い気味の雰囲気が録音から伝わる。中プロは初めて聴く曲。バリフはブーレーズと同世代の人でメシアンやブラッハーに師事した人という。完全な現代曲で少し馴染みにくい。これも自国の作品ながら、今一つの反応だった。
さて、メインのマーラーだが、これが他にないほどの速さだ。フィラデルフィアとの共演もここまでではなかった。カットなどは多分同じだろうが、こちらは少し違和感も覚えるほどだ。突進して終わりという感じ。映画でも有名なアダージェットも実に素っ気ない。終演後、ブラボーの声の方が大きいが、ブーの声も容赦なく入ってくる。何ということをしてくれたということだろう。面白いと感じるか、邪道として退けるかは好みが分かれるところか。素っ気ないがこれもアリとは思った。