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Channel: 趣味の部屋
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ヨーゼフ・クリップスによるブルックナー3題

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【曲目】
ブルックナー:
交響曲第4番「ロマンティック」(1964年3月8日フィルハーモニックホール)
交響曲第8番(1961年12月2日カーネギーホール)
交響曲第9番(1965年2月カーネギーホール)
ヨーゼフ・クリップス指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック
 
 クリップスがNYPに客演して振ったブルックナーの交響曲が3つ収録されているが、タイトルに「arranged version」の文字がある。当初はクナッパーツブッシュが指揮するレーヴェらによる改竄版かと思ったら、どうもそうではないようだ。これはクリップス自身の考えに基づき、編曲した独自の版という意味のようだ。確かに聴いてみると、他の指揮者にはないものが聴こえてくる。カットどころか独自のアレンジを追加しているようなのである。珍品に属するブルックナーといえるかもしれない。こんな楽譜は他ではまず取り上げられないだろうし、ブルックナー協会も認めないのかもしれない。それでもニューヨークの聴衆は熱狂的に拍手を送る。演奏自体はゴツゴツとした無骨なもので、味はあるのである。
 
 少々音は割れ気味だが、鑑賞に支障はない。むしろ楽しめる録音ではなかろうか。自分にはそう思えた。何が何でも原典版でないとダメとは決まってないのである。こうした自由度を買いたいと思っている。クリップスはウィーンナ・ワルツやウィーンの因んだ小品のイメージが強いが、こんな演奏もやっていたのである。中でもブルックナーの第8番はNYPデビューのライヴなのだそうだ。その後毎年のように登場していたという。NYPの自主制作盤にはJ.シュtラウスのオペレッタのアリアなどがあった。それよりも数段面白い演奏だった。
 

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