【収録情報】
● ミュージカル『ショウ・ボート』
音楽:ジェローム・カーン
脚本・作詞:オスカー・ハマースタイン2世
原作:エドナ・ファーバー
オーケストレーション:ロバート・ラッセル・ベネット
ハイディ・ストーバー(マグノリア)
マイケル・トッド・シンプソン(ゲイロード)
ビル・アーウィン(アンディ船長)
パトリシア・レーセット(ジュリー)
モーリス・ロビンソン(ジョー)
アンジェラ・レニー・シンプソン(クイーニー)
ハリエット・ハリス(パーシー)
キルスティン・ワイアット(エリー)
ジョン・ボルトン(フランク)、
パトリック・カミング(スティーヴ)
ジョン・デメイン指揮 サンフランシスコ歌劇場管弦楽団・合唱団、ダンサー
演出:フランチェスカ・ザンベロ
収録時期:2014年6月 収録場所:サンフランシスコ・オペラ、ライヴ
収録時期:2014年6月 収録場所:サンフランシスコ・オペラ、ライヴ
これはミュージカルの古典ともいうべき作品ではあるが、上演したのがサンフランシスコ歌劇場ということで、オペラの範疇にさせてもらった。ミュージカルは音楽や踊りを楽しめば良いというのではなく、いろいろと社会的なことを案外取り上げているものである。これも人種差別のことを取り上げている。1927年当時としてはかなり大胆な内容だったかもしれない。台本を担当したのが、オスカー・ハマースタイン2世で「サウント・オヴ・ミュージック」でもナチスの非道な面を取り上げていたから、変に納得してしまう。
輸入盤で英語の字幕を出して鑑賞。有名な「The Old Man River」は心に沁みるナンバーだと改めて思った。ミシシッピ川の悠久さと人間の営みのはかなさを歌ったもの。それに差別される黒人の悲哀が重なる。指揮者デメイン自身の解説ではジェローム・カーンはアメリカのシューベルトみたいは人なのだそうだ。また、この公演では1927年初演当時のオーケストレーションが使われているという。幕が上がる前の前奏曲はピット内のオーケストラが映る。弦楽器は通常のプルトのようだが、木管はクラリネットが2本以外は全て1本、ホルン2、トランペット2、トロンボーン1、テューバという金管。それにギターとパンジョーが加わる。打楽器はティンパニとドラムセット他に鍵盤打楽器などを担当する奏者が1人といった陣容だ。典型的なシアター・オケの編成であった。