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Channel: 趣味の部屋
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吸血鬼ゴケミドロ(佐藤肇・松竹1968年)

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新稀少堂日記

 この映画はその公開当時、薄気味悪いという印象で観ようとはしなかった思い出がある。大阪・道頓堀にあった松竹の封切り館にこの映画の宣伝用看板やスティル写真などが飾ってあった。最初に吸血鬼に化す男の異様な風貌が更に怖いと子供心に感じたものだ。ところが、その当時この作品を観た同級生の友人から、宇宙からの侵略者の話で、ホラーというよりSFといった趣だよと聞かされて、拍子抜けしたものだった。

 後で知ったのだが、最初に額が割れて人の血を吸うのは、元来が暗殺者で日本で外国大使を暗殺したというもので、悪人なのであった。それに扮していた高英男は俳優ではなく、有名な歌手でシャンソンでは有名な人だった。しかし、出会いが出会いだけに後でテレビでリサイタルをやっていた時に血を吸うんじゃないかと思ったものだ。

 物語はかなり警告めいたものを含んだもので、悲劇的な内容である。めでたし、めでたしといった結末ではないところが特徴だ。海外でも公開されて、影響を及ぼしているという。クィンティン・タrンティーノ監督はその代表格で「キル・ビル」に出てくる真っ赤な空は本作へのオマージュだというし、この映画の大ファンということだ。

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