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クリュイタンス&BPO/ン・ベートーヴェン:交響曲全集

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<DISC1>
1. 交響曲第1番 ハ長調 作品21
2. 交響曲第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」
<DISC2>
3. 交響曲第2番 ニ長調 作品36
4. 交響曲第4番 変ロ長調 作品60
<DISC3>
5. 交響曲第5番 ハ短調 作品67 「運命」
6. 交響曲第7番 イ長調 作品92
<DISC4>
7. 交響曲第6番 ヘ長調 作品68 「田園」
8. 交響曲第8番 ヘ長調 作品93
<DISC5>
9. 交響曲第9番 ニ短調 作品125 「合唱」

【演奏】
グレ・ブラウエンステイン(ソプラノ)、 ケルスティン・メイエル(コントラルト)、 ニコライ・ゲッダ(テノール)、フレデリック・ガスリー(バス)
聖ヘドヴィヒ教会合唱団
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
アンドレ・クリュイタンス(指揮)

【録音】
1957年12月(8,9)、 1958年3月(5)、 1958年12月(1,2)、1959年4月(3)、 1959年5月(4)、 1960年3月(6,7)
グリューネヴァルト教会、ベルリン
 
 当初は序曲も入っていると思っていたら、そうではなくここでは9曲の交響曲だけの収録。一部は廉価盤で聴いたことがあって、演奏はともかく風呂場で音楽が鳴っているようで聴きづらくて、すぐに売却した苦い思い出のある録音だった。今回、改善されているということで、思い切って手にいれた。謳い文句にある通り、以前のような聴きづらさはなかったので安心した。これはハイブリットSACDではあるが、まだDSDでは聴いておらず、通常のCDの部分での鑑賞だったが、それでもかなり改善されたように聴こえた。オーディオに詳しい方の中には不満という方もおられるのかもしれないが、個人的には満足した。
 
 クリュイタンスはほぼ一定のテンポで淡々と指揮している感じで、曲によっては幾分は遅めの解釈である。BPOのかつての主のような解釈とは違う方向性のようにも思えた。以前、どこかのクイズでベルリン・フィルが初めてベートーヴェンの交響曲全集を録音したのはどの指揮者とのものか、といったものが出されていた。正解はこの録音群なのだが、カラヤンではなく、ベルギー系の指揮者をBPOが受け入れたというのはどういうことであろうか。一番古いものは1957年12月のもので、このオケはカラヤンと初来日を果たしている。まだ、カラヤンの色には染まっていない頃で、楽員の方も様子見の姿勢だったのかもしれない。実績的にクリュイタンスの方を高く買ったのかもしれない。そういうことを示した資料にも接したことはないので、あくまで推量の域の話ではある。

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