十番勝負4作、二十番勝負3作で一応、話は終わったが、これはファンの要望に応えてのものなのか、後日譚のような一篇。今回の敵役は内田良平扮する浪人。「十三人の刺客」で鮮烈な敵役を演じた人だから、どこか凄みのある浪人になっている。次第に舞踊みたいな時代劇からリアルな志向になった時代劇映画の中で、この作品はややそうした流れを感じる。斬る時も黒澤映画同様の擬音が入ったりする。音楽が木下忠司に代わっていて、「水戸黄門」風というか、木下恵介作品風の音楽になっているのが、気を惹いた。
初見は小学生の頃、二番館の公開においてであった。