最近、日本コロムビアからリリースされたアルフレッド・リードが自作を東京佼成ウィンド・オーケストラを振って録音したものを集めたものだ。吹奏楽経験者なら、一度は名前を聞いたことのある人だ。「吹奏楽の神様」という人もいるくらいで、その殆どを吹奏楽に捧げたような人ではあった。今年が没後10周年にあたるという。
さて、販売者は日本コロムビアだが、中味はかつて佼成出版社から出ていた録音と同一のようである。二冊の解説リーフレットが挿入されているが、最後の方にスタッフの名前など記されているが、実際に録音にあたったのは日本ビクターの面々。佼成出版社のPBでビクターが制作した録音群なのである。それをコロムビアが同出版社のライセンスを受けて発売したもというからややこしい。たまたまPBだったから、実現したもののようである。ビクターもコロムビアも業績が今一つ冴えない。そうした両社の思わぬ「邂逅」は何だか、こちらも複雑なものを感じてしまう。
演奏はそこぶるスタンダードなもの。少し生真面目すぎるなと思う作品もあるが、聴いてみると楽しめるアルバムではある。