この作品は数年前に「午前十時の映画祭」でスクリーン鑑賞した。また、最近BSイマジカで放映されて、フル画面だったので、ディスクに落としたところだ。
最後にまだ観ていない人に結末を言うなとのナレーションが入るが、まさかのエンディングがあって、最後まで目が離せない。アガサ・クリスティの小説の映画化だが、ブリー・ワイルダー監督の職人芸が光る作品でもある。主人公は弁護士役のチャールズ・ロートンと言っていいだろう。威厳はあるが、どこかとぼけたところがあって、面白い人物。病気持ちでスーパーマンではないところがいい。マレーネ・ディートリヒの役者ぶりも見ものだ。それに比べてタイロン・パワーは二人に食われた形で割をくったような形だった。