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『オテロ』全曲 ミケーリ演出、チョン・ミョンフン&フェニーチェ歌劇場

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収録情報】
・ヴェルディ:歌劇『オテロ』全曲

 グレゴリー・クンデ(T オテロ)
 カルメラ・レミージョ(S デズデーモナ)
 ルーチョ・ガッロ(Br ヤーゴ)
 エリザベッタ・マルトラーナ(Ms エミーリア)
 フランチェスコ・マルシーリア(T カッシオ)
 アントネッロ・チェロン(T ロデリーゴ)
 マッティア・デンティ(Bs ロドヴィーコ)
 マッテオ・フェラーラ(Bs-Br モンターノ)
 アントーニオ・カザグランデ(Br 伝令)
 フェニーチェ歌劇場管弦楽団&合唱団
 チョン・ミョンフン(指揮)

 演出:フランチェスコ・ミケーリ
 装置:エドァルド・サンキ
 衣装:シルヴィア・アイモニーノ
 照明:ファビオ・バレッティン

 収録時期:2013年7月10日
 収録場所:ヴェネツィア、ドゥカーレ宮殿中庭(ライヴ)
 
 「オテロ」を十八番にするチョン・ミュンフンが指揮するということで、興味を覚えた。この公演は、通常の舞台ではなく、中庭を使った特設ステージというのが珍しい。野外だが、アレーナ・ヴェローナのような大掛かりではない。オーケストラは舞台横に配置されて、指揮台から扇型に団員は座っている。チョン・ミュンフンはずっと立ったまま、暗譜で振る。幕間はかなり短くすぐに次の幕に移るという趣向で、拍手で演奏が中断されることもない。
 
 建物の壁にいろいろな映像を映し出して、効果が上がるような工夫もされていて、なかなか面白い舞台だった。本来は中世のヴェネツィアという設定だが、軍人たちの服装は19世紀のような感じ。オテロは原作通り、黒いドーランを塗っての登場だった。
 
 さて、演奏は繊細な感じの演奏でかなり高度な出来かと思う。しかし、演劇的にはヤーゴは迫力不足。周囲を泥沼に引きづりこむワルにしてはちょっと端正すぎる。もっと悪辣なイメージなのだが、そうではない。ヤーゴの信条も響くものが不足しがちだ。歌手陣は残念ながら、未知の人たちばかりだった。

 

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