浅丘ルリ子が日活以外の作品に珍しく出演したもの。大映作品にはこれが初登場だそうだ。多分、ダイニチという配給で日活と提携していたので実現した企画なのであろう。増村監督は彼女のためにシナリオを用意して撮影に臨んだとある。
浅丘扮する浜ミチというヒロインはそれまでの日本映画に登場した女性にはないタイプで、極めて攻撃的な女性である。自分のためには周囲のことなど一切目に入らない様子で、そのために不幸になろうがお構いなしといった風情。これまた、イタリア映画に見られるようなキャラクターである。冒頭から、凶暴な踊りともつかぬ動作をして、観客の度胆を抜く。風俗はいかにも1970年前後の雰囲気で、高度成長の歪みを反映しているようだ。永田大映の末期の作品の一つ。