(収録内容)
①バルトーク:バレエ音楽「中国の不思議な役人」(全曲) ロンドン・ヴォイセズ
②ヴァイネル:ハンガリー民俗舞曲 作品18
ネーメ・ヤルヴィ指揮 フィルハーモニア管弦楽団
これも現在廃盤となっていて、アマゾンのマーケットプレイスで見つけたアルバムである。セコハン物を通販で購入するのは比較的賭けみたいなところがあるが、ここでしか入手できないものは思いきるしかない。
さて、目当てはバルトークの方ではなき、ヴァイネルという作曲家の作品②の方である。まだ記事にはしていないが、ドラティのバルトーク・アルバムで余白にボーナストラックとして収録されていた。ところがモノラル録音の上、解説は省略されていて、どういう背景の人であるかもわからなかった。そういう時に見つけたものがこれだった。デジタル録音でもあり、英文ながら簡単な解説もあったし、顔写真まで載っていたのである。
レオ・ヴァイネル(1885~1960)は、バルトークとは同世代の作曲家。1921年にバルトークがヴァイネルについて、「彼はドイツの音楽で音楽の勉強をしたが、その拠り所をドビュッシー前のフランス音楽、殊にビゼーあたりに定めている。同時に彼はあらゆる現代的な試み(暗にバルトーク自身の試み)への敵対者として彼を位置づけるクラシック純正主義の傾向も示した」と書いている。どこか保守的であったようだ。民謡からの引用はなく、この作品もバルトークやコダーイのものよりはリストのハンガリー狂詩曲やブラームスのハンガリー舞曲との共通性があるというのである。
こういう題名なので、同調者と思ったら全く逆だった。言われてみれば、バルトークほど土臭くはない。結局バルトークやコダーイの活動があっての作品なのだが。どこか中途半端な印象ものくはない。何か徹しきれてないものがあって、埋もれてしまっているのかもしれない。