(収録曲)
①カンタータ・プロファーナ
②バレエ音楽「かかしの王子」
ピエール・ブーレーズ指揮 シカゴ交響楽団・①合唱団 ジョン・アラー(T)、ジョン・トムリンソン(Br)
1991年に録音されたもの。②の方は既にCBSに入れたNYPとの共演の録音を持っていたので、長らく買わずにいた。しかし、①の大規模な声楽曲を他の演奏の輸入盤で期せず、入手できたものの、歌詞の英訳すらなく、何を歌っているのかわからない状態続いていた。気になっていたが、かつて国内盤があったことを知り、探したら中古品ながら、見つけることができた。どちらこというとこの声楽曲が目当てであった。
内容は悲しい話が語られる。一人の老人がいて、9人の立派な息子がいた。彼らには狩りだけを教え、9人は野山を駆け巡っていたが、森のきれいな橋を渡ったら尽く男鹿にされてしまった。父親が迎えに行くももうこの姿で家の門はくぐれないといって、帰宅を拒むといった内容が歌われる。独唱のテノールは息子の代表を、バリトンは父親の台詞をそれぞれ歌う。
バルトーク自身の作詞によるらしいが、ハンガリーやルーマニアなどを一体化しようという意志から発したようだが、その意志は十分に作品には反映しなかったらしい。大規模な合唱を伴う作品はこれが唯一だというから、意外な感じがしないでもない。いや、こんな作品があったのかという驚きの方が大きかったというのが正確かもしれない。