東日本大震災からまる3年が経つ。他に阪神大震災が20年近く経つし、鳥取西部地震からは15年近くが経つ。被害の多寡はともかく、それぞれから何を教訓とするかである。企業を経営する者は如何に事業を存続するかを考えるだろうし、個々は如何に自身を守り家族を守るかを考える。ただ、悲しいかな、物事は風化してしまうのもまた事実だ。
災害は忘れた頃やってくる、とは昔から言われたことだ。今回の大震災の被害地の中で、かつて大津波の被害にあった地区も多くあった。その中に、ここから先は津波の被害を受けるかもしれないという古い警告塔があった。しかし、長年の風雨で擦り切れ忘れ去られた状態にある姿を見て、愕然とした思いをした。人間の知恵だけでは自然にはかなわない、これだけは謙虚に受け入れたほうがいいという戒めの映像ではあった。